近年、視力を矯正しメガネやコンタクトレンズから解放される方法として、レーシック手術とICL手術が注目を浴びています。
しかし、これら二つの手術はどのような違いがあるのでしょうか。
また、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか？
本記事では、レーシック手術とICL手術の特徴について解説していきます。
レーシックとICL：それぞれの特徴と適用
レーシックとICLは、視力回復を目的とした手術方法ですが、それぞれに特徴が異なります。
レーシックの特徴
| 手術の種類 | レーシックは、角膜にレーザーを照射して屈折機能を調節する手術です。 |
| 施術可能な範囲 | レーシックは、近視の度合いが-10Dまでの範囲で施術が可能です。ただし、近視の度合いが強い場合は適用が制限されることがあります。 |
| 見え方の質 | レーシック手術後の見え方は、多くが1.0以上の視力を向上することができます。ただし、一部の患者さんでは見え方やコントラストに若干の変化が現れることがあります。 |
| 手術後の安定性 | レーシックは、術後の近視の戻りが少ないとされています。ただし、まれに近視が戻る可能性があることもあります。 |
ICLの特徴
| 手術の種類 | ICLは、眼内に人工のレンズを挿入する手術です。 |
| 施術可能な範囲 | ICLは、近視の度合いが-18Dまでの範囲で施術が可能です。また、乱視の度数が高くても治療が可能であり、乱視用ICL（トーリックレンズ）が存在します |
| 見え方の質 | ICL手術後は、鮮明でクリアな見え方が得られます。ICLは角膜を削ることなくレンズを挿入するため、角膜の収差が生じることがありません。 |
| 手術後の安定性 | ICLは、術後の近視の戻りが少ないとされています。また、ICLのレンズは取り外しが可能で調整が可能です。 |
以上のように、レーシックとICLはそれぞれ異なる特徴を持っています。
適用する際には、自身の症状や希望する効果に合わせて選択することが重要です。
レーシックのメリットとデメリット
レーシック手術には、以下のようなメリットがあります。
視力回復が速い
- レーシック手術を受けると、比較的早い段階で視力が回復します。
- 手術当日から視力が改善し、日常生活を裸眼で過ごすことができる場合もあります。
メガネやコンタクトレンズが不要
- レーシック手術によって視力が回復するため、メガネやコンタクトレンズを使用しなくても日常生活を送ることができます。
- メガネやコンタクトレンズの手入れや装着の手間を省くことができます。
費用が比較的安い
- レーシック手術は、他の視力矯正手術と比較して費用が安く、リーズナブルです。
- 特にICLなどの手術に比べると、費用が抑えられます。
- 手術費用が妥当なコストであることに納得できるでしょう。
痛みがほとんどない
- レーシック手術は点眼麻酔を使用するため、ほとんど痛みを感じません。
- 手術後は一時的な違和感やぼやけ感があるかもしれませんが、指示された点眼薬を使用すれば痛みを感じずに過ごすことができます。
一方、レーシック手術には以下のようなデメリットもあります。
角膜の厚みを復元できない
- レーシック手術では角膜を削るため、手術後に元の厚みを取り戻すことはできません。
- 手術前の検査やシミュレーションによって角膜の状態が詳しく把握されるため、リスクは低いと言えます。
視力の再低下の可能性
- レーシック手術後、稀に視力が再度低下することがあります。
- 手術が完全に成功しなかった場合や、回復に時間がかかる場合に発生する可能性があります。
- 手術前の視力が安定していなかったり、アフターケアを怠った場合にも影響が出ることがあります。
ハローグレア
- レーシック手術後、ハローグレアと呼ばれる症状が現れることがあります。
- 約40％の人が経験すると言われており、数ヶ月から半年程度で自然に改善します。
- 点眼薬の使用や専門医の指導により、症状を軽減することができます。
一時的なドライアイ
- レーシック手術後に一時的なドライアイの症状が現れることがあります。
- 手術によって角膜にフラップを作るため、手術後は眼が乾燥しやすい状態になります。
- 時間が経つにつれて改善することが多いですが、一部の場合では症状が長期間続くこともあります。
以上がレーシック手術のメリットとデメリットです。
個々の状況や目的に応じて、慎重に選択することが重要です。
ICLのメリットとデメリット
ICL（眼内コンタクトレンズ）は、レーシックとは異なる視力矯正手術です。
ICLのメリット
ICL手術のメリットは以下の通りです。
安定した視力維持
ICL手術を受けると、近視が戻りにくくなります。
従来の眼鏡やコンタクトレンズに比べて、より安定した視力を維持できます。
メンテナンスの不要
ICL手術では眼鏡やコンタクトレンズのメンテナンスや取り外しの手間が省けます。
レンズの定期交換も必要ありませんので、日常生活が便利になります。
角膜への負担なし
ICL手術では角膜を削る必要がないため、角膜の厚さに左右されずに手術が可能です。
また、角膜の薄さによってレーシックが適用できない場合でも、ICL手術が考慮されます。
ドライアイの改善
ICL手術は角膜にレンズを挿入するため、フラップを作成せずにドライアイのリスクが低いです。
コンタクトレンズによるドライアイで悩んでいる方には特におすすめです。
ICL手術後はドライアイが改善されることも期待できます。
ICLのデメリット
一方、ICL手術には以下のデメリットもあります。
高い費用
ICL手術は高品質な眼内レンズを使用するため、手術費用がレーシックよりも高額になる場合があります。
手術時間の長さ
ICL手術は、レーシックに比べて手術時間が長くなることがあります。
手術自体は20〜30分程度ですが、待機時間を含めると1〜2時間かかる場合があります。
合併症のリスク
ICL手術には、眼内にレンズを挿入するための手術ですので、合併症のリスクがあります。
感染症や眼内炎などのリスクがあるため、手術後の経過観察が重要です。
また、角膜内皮細胞の減少や水晶体の混濁（白内障）のリスクも稀に起こる可能性があります。手術前にリスクを十分に理解しましょう。
眼内手術のリスク
ICL手術は眼内で行われるため、感染症などのリスクに注意が必要です。
手術後のケアや定期的な受診が必要となります。
自身の状況やニーズに合わせて、慎重に手術を検討しましょう。眼科専門医との相談も重要です。
自分に合った治療法を選ぶポイント
目の状態や要望によって、レーシックやICLの手術にはそれぞれ適した治療法があります。
自分に合った治療法を選ぶためには、以下のポイントを考慮することが重要です。
経験豊富な眼科専門医を選ぶ
適切な手術を受けるためには、経験豊富な眼科専門医を選ぶことが重要です。
クリニックを選ぶ際には、眼科専門医が在籍しているかどうかを確認しましょう。
眼科専門医は、実践的な経験だけでなく、眼科手術に関する専門的な知識も持っていることが求められます。
丁寧なカウンセリングと対応力を重視する
手術を受ける際には、不安や疑問が生じることがあります。
そのため、カウンセリング時には、丁寧な説明や質問に対する真摯な対応をしてくれるクリニックを選ぶことが大切です。
手術の流れや効果、費用、アフターケアについてなど、詳細な情報を提供してくれるだけでなく、自分の疑問や不安にもしっかりと答えてくれる医師やスタッフがいるかを確認しましょう。
アフターケアの充実度を確認する
手術後のアフターケアは非常に重要です。
手術後には、定期的な検診や相談の場が必要です。
レーシックの場合、視力が少しずつ低下することがあり、再手術が必要になる場合もあります。
そのため、アフターケアが充実しているクリニックを選ぶことは安心です。
手術後のサポートや検診が含まれているか、また再手術が必要な場合には無料で行ってもらえるかどうかを確認しましょう。
費用と支払方法を確認する
手術費用は高額ですので、手術費用だけでなく、初診料や定期的な検診、薬代、再手術費なども含めた総額料金を事前に確認しましょう。
公式ホームページに掲載されている料金だけでなく、手術費用の支払い方法や医療費控除の利用も確認しておくと良いでしょう。
これらのポイントを考慮しながら、自分に合った治療法を選ぶことが重要です。
また、クリニック選びの参考には、ホームページや口コミの他にも、カウンセリングや無料説明会に参加することもおすすめです。
クリニック選びの基準と注意点
レーシック手術やICLを受ける際には、クリニックの選択が非常に重要です。
手術の安全性と成功率を確保するために、以下の基準と留意点に気を付けながらクリニックを選ぶことをおすすめします。
眼科専門医の在籍が重要
経験豊富な眼科専門医が在籍しているクリニックを選ぶことが重要です。
眼科専門医以外でもレーシック手術を行うことができますが、専門医の知識と経験がなければトラブルや合併症のリスクが高まります。
クリニックのホームページや日本眼科学会のホームページで、眼科専門医の在籍情報を確認しましょう。
丁寧な解説と相談対応が必要
レーシック手術やICLには、メリットとデメリットがあります。初めての患者にとっては、手術に対する不安があるかもしれません。
そのため、丁寧な解説と相談対応が必要です。カウンセリングの段階で解説の質や対応の良さを確認し、分かりやすく説明してくれるクリニックを選びましょう。
口コミや評判も参考に信頼できるクリニックを見つけましょう。
手術後のアフターケアや保証が重要
手術後のアフターケアや保証があるかどうかも重要なポイントです。
万が一、手術後に何か問題が起きた場合や視力の回復に違和感を感じた場合、クリニックは適切な対応や再治療を行ってくれるか確認しましょう。
アフターケアや保証内容は、公式ホームページやカウンセリング時に詳細に確認しましょう。
手術費用と支払い方法に留意する
レーシック手術やICLは高額な手術費用がかかることがあります。
初診料や定期的な検診、薬代、再手術費用などを含めた総額料金を確認しましょう。
公式ホームページに記載されている料金だけでなく、支払い方法についても事前に確認することが重要です。
クレジットカードの分割払いや医療ローンなど、自分に合った支払い方法があるクリニックを探しましょう。
以上の基準と留意点を考慮して、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。
手術の成功と安全性を確保するためにも、クリニック選びは慎重に行いましょう。
よくある質問
Q1. レーシックとICLのどちらが私に適していますか？
A1. レーシックは近視の度数が-10Dまでの範囲で施術可能であり、視力回復が早いです。
一方、ICLは近視の度数が-18Dまでの範囲で施術可能であり、安定した視力維持が期待できます。
適切な治療法は、眼科専門医との相談が必要です。
Q2. レーシック手術のメリットは何ですか？
A2. レーシック手術のメリットとして、視力回復が速い、メガネやコンタクトレンズが不要になる、費用が比較的安い、痛みがほとんどないという点が挙げられます。
Q3. ICL手術のデメリットは何ですか？
A3. ICL手術のデメリットとして、手術費用が高額であること、手術時間が長いこと、合併症のリスクがあることが挙げられます。
Q4. クリニック選びのポイントはありますか？
A4. クリニック選びのポイントとして、経験豊富な眼科専門医の在籍確認、丁寧な解説と相談対応、手術後のアフターケアや保証、手術費用と支払い方法の確認が重要です。
まとめ
ICL手術とレーシック手術は、それぞれメリットとデメリットがあります。
ICL手術は近視が戻りにくく、角膜への負担も少ないという特徴がありますが、レーシック手術はICL手術よりも比較的安い費用で手術が受けられます。
どちらの手術を選ぶかは、個人の状態や希望によって異なるため、医師との十分な相談が必要です。
しかし、いずれの手術も視力を矯正するための効果は高く、多くの方が生活の質を向上させることができています。
